双頭のバビロン

皆川博子の双頭のバビロンが大変素晴らしかった。ゆえに感想がまとまらないので単独で感想文。
あと気持ちの整理がついたのでそろそろ支部にリンク貼り戻そうかなと。貼った所でまた剥がしたところで何も変わらないんですが。
以下感想。ネタバレするけどネタバレ程度じゃ揺るがぬ圧倒的凄さ。

双頭のバビロン
皆川博子さんは本当凄くて自分が目指している作家さんの1人なんですが圧巻というか圧倒というか。とにかく凄まじかった。
最初に上海の描写から始まり、次にヨーロッパになり、しばらくヨーロッパでどー繋がるんだろうかと思っていたのだがしっかりと組み合わさるあたり流石。全体を通して見ると、スリ師のエンリコが2人に偶然出会うのが都合よすぎじゃないかと思ったが、トータルで見ると圧倒的なので許容範囲ということで。
双子の話。とある事情により普通の双子よりさらに距離感が近い。半分に至るまで話は全然動かないんですが、文章力が半端ないので読んでるだけで楽しい。読書の贅沢ってやつですよ。でも話が動き始めると伏線がバンバン張ってあったという実力。ツヴェンゲルの本名が出たときの衝撃と言ったら。
初めは社会的に成功していたゲオルグの方が恵まれてて日陰の子ユリアンは可哀想だと思ったんですが、ラストまで至るとゲオルグの方が可哀想ってなりましたね。ユリアンとゲオルグは間違いなく双子だけれど、それよりもツヴェンゲルとユリアンの方が双子だったのだと。だからゲオルグがツヴェンゲルに惹かれる部分があったのも当たり前だったのだと。
終盤になると視点の入れ替わりが激しくなって不安でそわそわ。絶対にハッピーエンドにならないだろうなと、むしろなったら興ざめだろうなと思いながら読み進め。しかし壮大ドラマチックではなく静かに物悲しく終わって、読み終わったあとも暫く余韻に浸ってました。
ラストはどちらが本当か解釈するのが難しいけれど、他の人の意見を読んでちょっと整頓がついた。ユリアン視点のは太字だったのでゲオルグが精神感応したのだろうっての正しいと思う。個人的にはツヴェンゲル視点の方が好きなのだが、これはきっとゲオルグからツヴェンゲルへの贈り物だったのだと解釈すると納得がいく。結果はどちらも同じなのだけれど。案外作者はどっちも思い浮かんで、どちらも却下したくないからこう書いたのかもしれない。
文庫本の方が人気のある昨今ですが、皆川博子はぜひハードカバーで。文庫ではこの世界を支えるには頼りなさすぎる。
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